記事タイトル通り、この2台はどちらも「加湿付きの空気清浄機」ですが、同じ畳数表記でも、得意な運転が少し違います。
購入直前に迷いやすいのは、だいたいここです。
空気清浄の“最大適用”を優先したいのか
乾燥対策としての“加湿の強さ”を優先したいのか
置き場所と手入れを現実的に回せるか
この3つが噛み合うと、納得して選びやすくなる印象です。
スペック比較表
主要な違いが出やすいところだけに絞って並べます。数値は各メーカーの取扱説明書等に基づきます。
| 項目 | シャープ KC-40TH | アイリスオーヤマ AAP-SH30A(加湿空気清浄機 16畳) |
|---|---|---|
| 空気清浄の適用床面積(目安) | ~18畳(30㎡) | ~16畳 |
| 加湿空気清浄の適用床面積(目安) | プレハブ~11畳、木造~7畳 | プレハブ~8畳、木造~5畳 |
| 最大加湿量(目安) | 400mL/h | 300mL/h |
| タンク容量 | 約2.5L | 約2.0L |
| サイズ(幅×奥行×高さ) | 399×230×613mm | 238×238×570mm |
| 重さ | 約7.5kg | 約4.3kg |
| 運転音(最大側) | 47dB(空気清浄「強」) | 49dB(空気清浄「強」) |
| 消費電力(最大側) | 27W(空気清浄「強」)/12W(加湿空気清浄「強」) | 55W(空気清浄「強」)/55W(加湿空気清浄「強」) |
ここから先は「生活の中で差が出るところ」を中心に見ていきます。
「16畳」「18畳」をどう解釈するか
畳数表記って、正直わかりにくいですよね。
ポイントは、加湿を使うかどうかで“適用の数字”が変わることです。
アイリスは空気清浄が~16畳、加湿空気清浄だとプレハブ~8畳(木造~5畳)。
シャープは空気清浄が~18畳、加湿空気清浄だとプレハブ~11畳(木造~7畳)。
同じ「リビングで使いたい」でも、
乾燥する時期は加湿も回す前提
それ以外は空気清浄だけで回す日が多い
どっちの運転が“自分の通常運転”なのかで、数字の効き方が変わってきます。
加湿を主役にするか、ついでにするか
加湿の最大値は、シャープが400mL/h、アイリスが300mL/h。
タンクもシャープが約2.5L、アイリスが約2.0Lです。
ここは使い方のワンシーンで差が出ます。
例えば、帰宅後すぐ暖房を入れて部屋が乾きやすい夜。
加湿をちゃんと効かせたい人ほど、加湿量とタンクの余裕が効いてきて、シャープ側に安心感が出やすいと思います。
一方で、「寝るときだけ少し潤えばいい」「加湿は控えめでいい」なら、アイリスでも不満が出にくいことがあります。
置き場所と存在感
サイズ感はかなり違います。
シャープは幅が399mm、アイリスは238mm。奥行も230mmと238mmで近いのですが、見た目の“横幅”が置き場所を選びます。
重さもシャープ約7.5kgに対して、アイリス約4.3kg。
例えば、日中はリビング、夜は寝室へ移動させたい。
この運用を想定すると、持ち上げる回数が増えるほどアイリスの軽さが効いてきます。逆に「基本は据え置き」で良いなら、シャープのサイズは許容しやすいかもしれません。
音の感じ方が分かれやすい場面
最大の運転音はどちらも近くて、シャープ47dB、アイリス49dB。
ただ、実際に気になるのは“最大”よりも、夜の弱運転だったり、生活音が減ったタイミングだったりします。
私が気になるのは「寝る直前の無音の部屋で、風の気配が気になるタイプかどうか」です。
このタイプだと、スペックのdB差より、運転モードの作りや風の当たり方で印象が変わりやすいです。
手入れの手間と、続けやすさ
加湿付きで意外と差が出るのが、手入れを“続けられるか”です。
アイリスは「タンクから吹き出し口まで丸洗い」など、お手入れを前に出した説明が見られます。
シャープはAg+イオンカートリッジなど、加湿水を清潔に保つ方向の仕組みが特徴として挙げられています。
どっちが楽かは、性格で分かれる印象です。
こまめに洗って気持ちよく使いたい
パーツが洗いやすい方が続く
こういう人はアイリスの方向が合いやすいかもしれません。
逆に、
できれば汚れにくい方向に寄せたい
仕組みで衛生面の不安を減らしたい
なら、シャープの考え方が合うことがあります。
ネット上の評判で目立つ「ズレ」のパターン
レビューをいくつか見比べると、評価が割れる理由はだいたい次の形に収束します。
想定よりニオイが気になると言う人が一定数いる
逆に、価格やサイズ感には満足しやすい
加湿タンク周りは、使い方や個体差で不満が出ることがある
具体的には、シャープは「排気のニオイが気になる」という声が見られます。
アイリスも「使っているうちにニオイが気になる」「水漏れが気になる」といった声が見られます。
ここは少し意外なのですが、どちらも“ニオイの不満”はゼロではないです。
だからこそ、脱臭性能を神格化するより、
ペットや料理などでニオイ負荷が高い家なのか
フィルター交換や手入れを前提にできるか
このあたりを先に受け入れられるかが、後悔の差になりやすいと思います。
迷ったときの整理メモ
最後に、判断を戻すためのメモだけ置きます。
加湿をしっかり使う前提で、加湿量と加湿適用を重視したい
置きっぱなし運用で、サイズや重さは許容できる
空気清浄の適用も少し広めがいい
この寄せ方なら、シャープが合いやすいです。
置き場所の自由度と軽さを優先したい
空気清浄は16畳までで足りる
加湿は控えめでもいい
この寄せ方なら、アイリスが合いやすいと思います。
最後に
どちらが“上”というより、
- 加湿をどれだけ本気で使うか
- 置き場所と手入れを現実的に回せるか
この2点で、選び方が自然に決まっていく比較だと感じました。
もし今の時点で迷いが残るなら、「加湿を使う日」を具体的に1週間分だけ想像してみるのが、いちばん効くことがあります。
記事末の控えめな案内になりますが、価格は時期で振れやすいので、購入前にだけ相場を確認しておくと安心です。

